日傘について詳しくない方でも、紫外線や熱を防ぐには白か黒がいいという知識くらいは持っているのではないでしょうか。しかし、色が持つ化学的な効果をはっきりと認識している人は少ないかもしれません。白は紫外線を反射させる効果があり、黒は熱を吸収する効果があります。それを参考にすると、美容目的で紫外線をカットしたいなら白、熱中症予防で熱をカットしたいなら黒ということになります。
しかし、実はそう単純なものではありません。白い生地だと真上からの紫外線を跳ね返してくれますが、壁や地面に照り返した紫外線までは防げません。内生地が白なら照り返しが反射して、紫外線対策の意味がなくなってしまいます。黒い生地だと照り返しを吸収してくれるので紫外線対策にはなりますが、真上から照らされる熱を傘の中に溜め込んでしまいます。
つまり、色が持つ効果が防御したい効果と矛盾してしまうことがあるのです。それを踏まえると、日傘を選ぶときには外生地は白、内生地は黒が最も良い配色だとされています。こうした色に注意することで、より効果的な日傘を購入することができるでしょう。ただし、いくら効果的とされる色を選んでも、遮光性能が低ければ日傘本来の紫外線や熱中症予防対策という効果は低くなってしまいます。
日傘を選ぶときには、必ず遮光率に注目しましょう。「一級遮光」「99.99％遮光」と表記されている商品が、紫外線対策において最も効果的とされています。